Q&A


                            

 Q&A よくある質問をまとめてみました。

 

    日本万国博覧会の記念貨幣を持っているのですが、プレミアムはついているのでしょうか?。

 

 日本で最初に記念貨幣が発行されたのは昭和39年の東京オリンピックの千円銀貨と百円硬貨で、以降現在まで197種類もの記念貨幣が発行されています。しかし、東京オリンピックの千円銀貨と発行枚数の少ない金貨以外はプレミアムがついていません。従って銀行などで両替して使ってしまった方が良いでしょう。昭和45年に発行された日本万国博覧会の百円硬貨についても発行枚数が4千万枚と多く、残念ながらプレミアムはついていません。

  

 

②古銭を持っているので、価値を鑑定してもらいたい。

 

 当協会では古銭の鑑定は行っていません。

 貨幣商の組織である日本貨幣商協同組合が実施している貨幣イベントでは、毎回鑑定・相談コーナーが設けられていますので、無料で観てもらうことができます。

 また、日本貨幣商協同組合が毎年発行している『日本貨幣カタログ』を見ればコインの相場がわかります。ただし、このカタログに掲載されている価格は購入価格の目安になるものであり、買い取り価格ではありません。

 

  

③岩倉具視の500円札を持っているのですが、価値がありますか?。

 

 現在でも数多く存在しているため、プレミアムはついていません。ただし、珍番号札(№1、7のぞろ目など)は価値があります。戦後発行されたほとんどのお札についても同様です。

 

  

④通称「ギザ10」の十円玉をたくさん持っているのですが価値がありますか?。

 

 これは状態によって大きく左右されます。状態がよくない場合、プレミアムはほとんどつきません。逆に未使用のものは高く評価されていて、初年号である昭和26年の10円玉で未使用のものがオークションに出品されると5万円以上の価格がつくこともあります。

 

 

⑤富本銭は日本で最も古い貨幣ですか?。

 

 富本銭が奈良時代に作られた貨幣型の物品であることは間違いありませんが、「貨幣として使われたのか」となると①貨幣である ②貨幣として作られたがうまく流通しなかった ③貨幣ではなく記念銭・厭勝銭である と見解が分かれています。

 ②については、貨幣として作られたにしてはあまりに現存数が少ないこと ③については表面に七つの星が描かれていること、次に発行された和同開珎との交換比率を定める資料が見つかっていないこと(他の皇朝銭は新銭発行にあたり、旧銭との交換比率を定めています)などの理由です。

 日本貨幣カタログには富本銭が掲載されていませんので、業者間でも評価が定まっていないことがわかります。

  

 

⑥戦国時代にはどのような貨幣が使われていましたか?。

 

 日本では平安時代に発行された乾元大宝(958年~)を最後に独自の貨幣の発行を停止してしまいました。それ以降は江戸時代に幣制が整備されるまでの間、中国の貨幣が使用されていました。中国の貨幣としては唐、北宋、南宋、明の貨幣で、これらを大量に輸入していました。戦国時代は、主に明の永楽通宝が流通しており、その他には中国銭をもとに日本で造ったお金(鐚銭)や戦国大名が発行した金・銀などの貨幣(領国貨幣)が流通していました。

 

  

⑦甲州金は武田信玄が造った貨幣ですか?。

 

 甲州金は武田信玄が造った貨幣と言われることがありますが、武田信玄が使っていた金は刻印のない金塊であり、現存する甲州金はそれ以降、江戸時代になってからつくられたものが大半です。

 

 

⑧江戸時代の小判1枚はどのくらいの価値がありましたか?。

 

 江戸時代は260余年続きましたので、いつの時代の何を基準にするかで異なります。最初に発行された慶長小判(重さ17.7g、金含有量85.7%)と幕末の万延判(重さ3.3g、金含有量57.4%)では重さも金の含有量も大きく異なっており、さらに時代が下がるにつれてインフレにより小判の価値も相対的に下がっていました。また、幕府は金貨・銀貨・銅銭(三貨制度)を発行し、公定相場を定めていましたが、そのときの市場相場(金銀銅貨の交換比率)は変動していました。物価に関しては米の値段は豊作、凶作などで大きく変動し、家具などは今に比べて高価でした。

 そこで、小判1両を、銭4000文として勘定し、身近な食べ物でみると、江戸時代の後期、文化文政時代の頃に寿司が1個4文、屋台の「二八そば」が16文、うな丼が64文なので、30円換算なら今の価格で寿司が120円、蕎麦が480円、うな丼が1920円、40円換算なら寿司が160円、蕎麦が640円、うな丼が2520円になります。今の我々の金銭感覚に近いと思います。1文が30円とすると1両は12万円、40円とすると16万円くらいになりますので、この頃の江戸の町では小判1枚で家族4人が贅沢をせずに1か月間暮らせるくらいの価値があったと考えられます。

※参考:江戸の銭勘定(山本博文監修、洋泉社)

 

 

⑨最近1円玉の製造枚数が少ないと聞きましたが・・?。

 

 キャッシュレス社会を迎えて小銭の需要が少なくなっているため、造幣局が近年製造枚数を大幅に減らしています。昭和50年代から平成の前期にかけては8億枚から120億枚くらいの1円玉が発行されていましたが、平成23年には約45万枚、平成24年には約66万枚、平成25年は約55万枚、平成28年約55万枚と激減し、これらの年号の未使用品についてはプレミアムがついています。

  

 

⑩2020東京五輪では記念貨幣が発行されるのですか?。

 

 全部で37種発行される予定です。すでに発売されているものを含めて、リオ2016-東京2020開催引継記念、第一次発行、第二次発行、第三次発行、第四次発行があり、額面としては1万円金貨、1000円銀貨、500円貨、100円貨の4種類が発行されます。500円貨の表面の図柄は3つの候補からインターネットによる一般投票により選ばれます。貨幣の図柄を一般公募することは過去にありましたが、図柄をインターネットによる公募で選ぶのは初めてです。500円貨と100円貨は金融機関の窓口で引換、1万円金貨と1000円銀貨は申込・抽選販売です。

 

 

 ⑪お札はカラーコピーできますか?。

 

 コピー機には、現行のお札はコピーできないような機能が付加されています。外国札も同様で、英国の現行5ポンド紙幣をコピーしようとしましたができませんでした。他の現行の外国札すべてがコピーできないかどうかはわかりません。

  

 

⑫ネットオークションで売られている貨幣を買っても大丈夫ですか?。

 

 ネットに出品されているものは、玉石混交で、ほとんどが石の方です。「画像で判断してください。」「真贋は不明です」「ノークレームノーリターンでお願いします」と書いてあることが多く、出品者が日本貨幣商協同組合などに加盟している信用ある業者である場合などを除き、高額な商品を落札するときは十分な注意が必要です。

 

  

⑬コインのオークションに参加してみたいのですが、どのようにすればいいですか?。

 

 それぞれのオークション会場に行って登録をすれば、番号札をいただけるので、応札ができます。欲しいコインがあったら、その場でもらった番号札を最後まであげていれば必ず落札することができます。落札価格に手数料と手数料にかかわる消費税が支払い代金になります。

 最近は落札額の上限を個人別に設けているオークションが増えましたので、事前に確認しておくことが必要です。

  

 

⑭コインはどのように保存しておけばいいですか?。

 

 品位の高い金貨は変化することはありませんが、品位の低い金貨を長年放置しておくと金錆がでる場合があります。また銀貨は黒い錆が、銅貨は青錆が発生することがありますので貨幣の表面が直接空気に触れないようにラップで巻いたり、コイン専用のホルダーなどに入れておくとよいでしょう。

  

 

⑮汚れたコインは磨いてもいいですか

 

 コインは基本的に原状を変えると価値が下がりますので、磨いてはいけません。

 

  

⑯コインに投資をすると儲かるでしょうか?。

 

 コインは投資には向いていない商品です。金の価格が上昇すれば金貨は高くなりますし、中国のコインに人気が出れば中国コインの価格が上昇して、そのときに持っているコインを売却すれば利益は出ますが、あくまでも結果論で、将来値上がりが見込めるコインが何かはわかりません。

 最近は珍品、状態のよいコインがオークションで高値をつけていますが、収集というよりは資産保全・相続対策の意味合いが強いようです。お金を何千万円もするコインに換えてしまえば、相続財産として把握しにくくなるため、最近のオークションでは高額落札者に対して税務署が目を光らせているようです。

  

 

⑰世界で最初に発行された貨幣は何ですか?。

 

 貨幣が出現する前は物々交換でしたが、中国では約3000年前から子安貝が貨幣として使用されていました。現在に通じる貨幣としては紀元前7世紀頃にリディア(小アジア、今のトルコの場所にあった国)で金銀の合金打刻貨幣(エレクトロン貨)が造られました。同じ頃、中国では農具を元にしたと言われる鍬形の鋳造青銅貨(布幣)が、またインドでは紀元前6世紀頃に銀板に模様を打刻したもの(ベントバー)が発行されました。3つとも重さや品質が一定で誰が発行したかわかる記しが付けられています。