書 籍 紹 介(会員執筆の本の紹介)

1 旭泉亭方孔銭譜 第1集(加藤大扶著者・編者)最新刊!

  宮城県、愛媛県、島根県等より出たウブ銭緡約15000枚について新寛永銭の詳細分類を行い、一覧表に取りまとめたものです。南部銭系、踏潰銭、加護山銭、仿鋳直写し銭等の奥羽由来銭を中心に、107孔を掲載(カラー銭影、墨拓)しています。問い合わせはメールで。(ryanzo-2@docomo.ne.jp)

 

2  現行紙幣価格図譜~その奥の奥~(大澤昌人著)

  我々が日常使っている紙幣(日本銀行券)も、印刷局別や各局の一番記号、最終記号、珍番号券、エラー券などさまざまな視点から収集の対象となります。本書は紙幣大収集家である筆者が、長年の研究をまとめた成果であり、紙幣収集家にとっては必読の資料です。

 

3 知命泉譜・四(日本古紙幣の部)(神野 良英著)

  寺社札シリーズの第二弾。大和の寺社札について、現状確認できるものをすべて(タイプ別の額面違い)を掲載し、新たに位付け(稀少性など)を行っています。

 

4 知命泉譜・参(日本古紙幣の部)(神野 良英著)

  月刊『収集』に連載した寺社札入門のうち、「紀伊・河内」の寺社札をとりまとめた本。藩札などに比べて資料の少ない寺社札に焦点をあてています。

5 知命泉譜・弐(外国貨幣の部)

  アテネのフクロウコイン研究 余禄・古代インドのコインから(神野 良英著)

 本書は貨幣の収集・研究の専門誌である『収集』2019年~2020年に発表された「アテネのフクロウコイン研究」をまとめたものです。古代ギリシャの覇者にもなった都市国家アテネのフクロウコインは、地中海全域から中東・西アジア方面にかけて取引のための貿易銀として流通し、他の国々も模倣貨幣を発行しています。外国コイン収集家でなくとも、一枚は手元に持っておきたいコインです。日本はまだまだ古代コイン収集・分類については後進国であり、アテネフクロウコイン分類の指針となる貴重な本です。

 

6 知命泉譜・壱(日本古貨幣の部)愛泉家雑記(神野 良英著)

 本書は貨幣の収集・研究の専門誌である『収集』2013年~2019年に発表された「皇朝銭雑記」、「鐚銭雑記」、「寛永銭雑記」をまとめたもので、著者の「知命」を祝しての刊行となりますが、古貨幣を愛してやまない著者の30年にわたる努力と研鑽が「珠玉の名品」と共に溢れています。また、日本の穴銭という難解な分野において主要な品種を網羅した「総合解説書」とも言えるこの本は、収集家のみならず古貨幣に携わるすべての人に参考となる良書です。

 


                                       

7 安南美號大銭の研究・銅銭の部(齋藤 昭維著)

  安南は今のベトナムのことで、地理的に古くから中国の影響を強く受けていました。貨幣も中国と同じよ

 うな穴銭を発行していました。

  著者は論文「The  Confucion  Message  on  Vietnamese  Coins」を翻訳。背文の格言については出

   典をすべて網羅し解説をしています。図版の章では美號大銭の真贋が一目瞭然に判別できます。日本の資料

   は拓が中心で重さが表示されていませんが、この本では重さ表示をすることで真贋も見極め安くなっている

   とのことです。安南銭分野の収集家にとっては必読の本といえます。

 

8 皇朝銭収集ガイド(音田 俊幸著)

  皇朝銭収集の第一人者である著者が、長年にわたり研究してきた成果を一冊の本にまとめました。2部構

 成で、第1部は皇朝銭の歴史や稀少度、鋳銭地、真贋判定などを解説 第2部は皇朝銭を全136種類に分

 けて、その特徴を挿図方式でわかりやすく解説しています。皇朝銭収集ガイドの決定版と言えます。

 

9 天顕堂大川鐡雄氏遺稿━銀座工夫人・勝間孝之助書留━(小林 茂之著)

  当協会初代会長である大川鐡雄氏が残した銀座の鋳銭資料に、著者の三貨童小林茂之氏(7代目会長)が

 解説を付加したもので、大川氏のコレクションを確認(大川氏のコレクションの大半は佐倉にある国立歴史

 民族博物館に収蔵されている)し、貴重な成果の数々を豊富な拓図とともに紹介しています。

 

10 日本の絵銭(赤坂  一郎編)

      絵銭とは穴あき銭に絵などが描かれているもので、通貨ではありません。主に子供の玩具として作られた

   ものと信仰的に作られたものに分類することができ、江戸時代に盛んに作られました。絵銭関連の本は江戸

 時代から今日まで拓図を使って出版されてきましたが、「日本の絵銭」は全品を写真で掲載し、絵銭独自の

 凹凸や銭風、味わいなどが再現されており、1994 年(平成6年)の発行から今なお売れ続けています。絵銭

 収集家には必修の本といえます。

 

11 無文銀銭と七支刀(花野 韶著)

  日本書紀683(天武12年)に「詔曰、自今以降、必用銅銭、莫用銀銭。」 という文章があり、これを

    訳と、「今後は必ず銅銭を用いよ。銀銭を用いてはならぬ。」となります。この銅銭と銀銭が何かについ

    て以前からさまざまな推定が行われてきました。

  筆者は平成11年、奈良国立文化財研究所が奈良県明日香村の飛鳥池遺跡の発掘調査から出土した富本銭

    が同開珎より前の銅銭であると発表したことを受けて、日本書紀に出てくる銅銭を富本銭、銀銭を無文銀

    銭解釈し、過去の文献・資料や当時の諸外国との交易など 幅広い視点からこれを検証しようと意欲作で

    す。

  また、七支刀とは石上神宮に代々伝わっていた刀のことで、明治5年(1874)に金象嵌の 銘文が彫   られているのが発見され、現在国宝になっていますが、銘文の解釈は諸説ありいまだ解明されず年代も特定

 されていません。そこで著者は皇紀を西暦に変換する式を考案し、年代の推定を試みています。

 

12 全国弐百弐拾藩藩札図鑑(大場 俊賢著)

  江戸時代に日本全国にあった309藩のうち、著者が長年をかけて収集した220藩の藩札を枚数、資料

 などとともに原色・原寸で収録した図鑑です。藩札の入門者にも最適な参考書です。なお、現在の収集は

 224藩まで進んでいるとのことです。

 

13 寛永銭譜(木田 利喜男著) 

  喜宝古希記念『寛永銭譜』は寛永銭の大収集家である著者が半世紀を費やして収集した新寛永銭のコレク

 ションを掲載しています。一つの銭種で大様、中様、小様の母銭・通用銭を網羅した質・量ともに日本最大

 級の寛永銭の銭譜となっています。

  拓本と1.5倍に拡大されたカラー写真が掲載され、直径・重量が表示されており、見やすくま とまってい

 ます。また『穴銭入門寛永通寳~新寛永の部』に準じた配列でわかりやすくなっています。寛永銭の収集家

 は手元に置きたい一冊です。